ココロ騒ぐのはなぜ?
フィリピンから帰国して早半月。 なんだろう、このモヤモヤは。 いつもならば陽光うららかなこの季節。 私のココロは青天百里の如く 純々と晴れ渡っているはずなのに。 晴れやかな蒼天をうっすらと覆う 皮膜のような心憎いまでの 得体の知れない感触。 まさか、フィリピンのせいなのか。 これまで実に多くの国を訪ねてきたけれど。 実に多様に複雑で、暑かったり寒かったり辛かったり 臭かったりはしゃいでいたり、もの悲しかったりする 国々を渡り歩いてきたけれど。 フィリピンという国はどうだろう。 華々しく、でもしおらしく、 輝かしく、でもどんよりと。 元気そうなのだけど、元気じゃない。 明るそうでいて、実はナイーブ。 あか抜けているのかと思えば、 意外とシャイだったり。 まるで、なんだかもうひといき会話のかみ合わない、 つかみどころのない女の子とバーのカウンターで2人きり。 上半身をねじりながら相対して 互いのココロの在処を眈々と探っているような。 惹かれているのか、魅惑的なのか。 いやいや引いているのか、懐疑的なのか。 押すのも引くのもままならぬ。 そんな男の絶妙に微妙な心理状態を想起させる。 いまや誠に悩ましい存在なのである。フィリピン。